久し振りに化粧品の商品コンセプトが刺さった話②

目次

前回の振り返り

前回の投稿で取り上げた美容液購入のハードルについて、引き続き考えてみます。

前回の記事:
久し振りに化粧品の商品コンセプトが刺さった話①

流れとしては、

① 「運動後のような美しい肌」に非常に共感。「欲しい」と思い、テンション上がる
   ↓
② 価格を見て冷静になる(ハードル1)
   ↓
③ 「美容液は効くか効かないかわからない」
  「運動後の肌がそんなに美しく見えるか疑問に思う」
  など、ネガティブな部分に目が向く(ハードル2)
   ↓ 
④ 最近シミが気になっていたので、確実に効果が得られるシミ取りを優先する(結論)

というロジックで「購入しない」という結論に至りました。
価格を下げると「効果への期待感」も低下してしまうので、
ハードル2「ネガティブな疑い」を解消するにはどうしたらいいか考えましょう、
という流れでした。

疑われているのは何か?

ここで、「ネガティブな疑い」とは何かもう少し細かく整理していきます。

私が思ったことは、主に2つ。
1.美容液は効くか効かないかわからない(化粧品全般に対する疑念)
2.運動後の肌がそんなに美しく見えるか疑問に思う(この商品のコンセプトに対する疑念)

1はそもそも化粧品に対してそこまで期待していない、という状態です。
若いときは何を使っても効果を感じていたが、
年齢を重ねるにつれて肌の不調や衰えを感じ、
もう化粧品で改善されることはないんじゃないかと考えるようになっています。
これは、あらゆるブランド・商品に対して共通の認識です。

2は「運動した後のような美しい肌になる」というコンセプトに対し、
「確かにヨガの後は肌がきれいに見えたな」という納得と、
「でも筋トレの後にそう思ったことはないな」という疑問が対立している状態です。
実感として「運動後に肌がきれい」だと思ったことはある。
だけど、それを強く実感するときと、まったくそうでないときがある。
その違いは何だろう、と思った私は、商品の公式ページを見ることにしました。

疑問が解決しない

最初に目にした美容アカウントの投稿では
「運動したのと同等の肌になる」という表現で紹介されていました。
これだけでは、どういう成分がどう作用するかわからないため、
公式ページの説明を見に行きました。

私が動くと美しさが生まれる。

運動と肌の美しさの関係が着目されはじめている、今。そういえば、ヨガやランなど、運動を習慣にしている人はからだや気もち、そして肌も生きいきとしていたかも。実は日中の活動のなかでも美のスイッチが入るらしい。そのチャンスを逃すことなく生きいきとつやめく肌と今日をいっしょに。日中のアクティブを美肌に生かそう。

前半は共感です。
特にヨガは実体験と重なり、そうそう、という気持ちになります。
が、中間からわかるようなわからないような話になり、
「美のスイッチ」「日中のアクティブ」とは?と、どことなくすっきりしません。

さらにページをスクロールすると、『得られる肌効果』として
・生きいきとしたツヤ
・みずみずしいうるおい
・しなやかなハリ感

とあります。
どれも得られればうれしい効果ですが、
「なぜそれらが得られるのか」という仕組みがもう少し知りたいです。

ページを読み進めると「運動が肌に与える影響の研究」というリンクがあり、
・日常生活での身体活動量が多いほど、肌のキメが良くなる傾向がある
・運動によってマイオカインというホルモンが分泌され、線維芽細胞(ハリ弾力を生み出す源)に影響し
 肌のハリ弾力向上に関わる可能性が示されたこと(以下、マイオカインが皮膚細胞に作用する流れの図解)

が説明されていました。

運動が肌のキメ・ハリ弾力をよくしてくれることはわかりましたが、
「確かにヨガの後は肌がきれいに見えたな」
「でも筋トレの後にそう思ったことはないな」
という疑問は解消されませんでした。

複雑な解説で一気にテンションダウン

商品を認知してからここまで時間にして5分程度だったかと思いますが、
「ヨガ後と筋トレ後の違いは何なのか」という疑問が解消しないことで
なかなかの徒労感を味わいました。
また、マイオカインの解説が複雑で、すっかりテンションが下がってしまいました。

この後「確実にシミが消せることを優先しよう」という結論に至りましたが、
全体的なテンションのアップダウンは以下のようになります。

① 「運動後のような美しい肌」に非常に共感。「欲しい」と思い、テンション上がる(欲しい度80)
   ↓
② 価格を見て冷静になる(ハードル1)(欲しい度70)
   ↓
③ 「美容液は効くか効かないかわからない」
  「運動後の肌がそんなに美しく見えるか疑問に思う」
  など、ネガティブな部分に目が向く(ハードル2)(欲しい度70)
   ↓
  公式ページを見たが、欲しい情報が得られず、
  解説の複雑さに辟易してしまった
(欲しい度10) 
   ↓
④ 最近シミが気になっていたので、確実に効果が得られるシミ取りを優先する(結論)

※ ③と④の間に起きたことを青字で追記

ハードル2に意識が向いた時点ではそこまでテンションは下がっていませんが、
その後、公式ページで思ったような情報が得られなかったことで一気にテンションが下がりました。
約5分程度の間に欲しい気持ちが一気に高まり、
疑問を感じ、
疑問が解消されなかったことで落胆し、
別のものにお金を使う、という出来事が起きています。

どうすればテンションが維持されていたか

結論、何がわかれば「欲しい」という気持ちが維持され、購入に至ったでしょうか。

自分の事例を振り返ると、

  • 身体活動量が多いほど、肌のキメが良くなる傾向がある」という傾向の話ではなく、
    運動後に肌がきれいに見えるのはなぜか」という仕組みを直観的に説明してほしかった(『はたらく細胞』のようなイメージ)
  • 上記の「運動後に肌がきれいに見えるのはなぜか」という仕組みを理解した上で、この美容液がどう作用するのか知りたかった

という気がします。

そもそもの疑問である
「ヨガの後は肌がきれいに見えたけど、筋トレの後にそう思ったことはない」
に対する答えが公式ページで見つかるとは思っていませんが、
漠然と感じていた「運動後の肌はきれいに見える気がする」ということについて
なぜそうなるのか説明をしてもらった方が「なるほどね」「そうだったんだ」と期待感や関心がキープされたと思います。
身体活動量が多いほど、肌のキメが良くなる傾向がある」と言われてしまうと、
それはもう何となくわかっているんだけど、その話じゃなくて…と、もどかしさを感じました。

薬機法の制約もあるので、「この美容液はこんな効果がありますよ」と安易に言えないと思うのですが、
運動している人の肌では何が起きているのかをしっかり説明してくれれば、
「そうかー、じゃあこの美容液を使ったらそれと同じことが起きるんだな」と、
私の方で勝手に想像して、期待していたと思います。
化粧品は、購入段階では「効果があるかどうか」は定かでありません。
「期待」で買う部分が大きいカテゴリだと思うので、この「期待」を醸成することがとても重要だと思います。

まだ発売されたばかりですが、これから実際に使用した人の口コミも増えていくと思います。
また少し時間をおいて、今度は口コミも含めて再検討しようと思います。

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